小論文科主任講師 大橋義人
私が小論文の授業を行う時、念頭に置いていることは3つあります。1つは「小論文の重要3テーマの深い理解」です。①患者中心の医療、②高齢社会と医療、③倫理性と人間性・理念と実践の3つがこのテーマにあたります。
特に最近、重要度が増しているのが、③の「倫理性と人間性」「理念と実践」です。受験生はまず「倫理」という言葉の意味を知らないことがほとんどですが、入試で出される場合は、医師自身が倫理観として心の内に持ち、自ら守るべきルールのことを指します。守らなければ罰せられる「法」と違い、倫理は守らないこともできます。そのため、高い倫理性は思いやりの心と豊かな人間性に支えられているということを理解しなければなりません。
2つ目に、小論文を書くには正確な読解力の養成が欠かせません。授業で実感するのは、年々正確に=構造的に客観的に文章を読み取ることができない生徒が増えているということです。ほとんどの生徒が、文章を書かれた通り「縦」に読み、段落ごとに「横」に繰り返されていることに気づいていません。そのことに気づくと、文章を構造的に捉えられるようになり、読解力は飛躍的に向上します。
最後の3つ目は、どうやって書くかです。生徒たちには、初めのうちは私の解答例をそれこそ写すように書いてもらいます。そうすることで知識がインプットでき、各テーマについて何をどう書くかが体感できるようです。自転車も最初から自分でペダルをこいで走れる人はいないはずです。小論文も同じで、まずは補助輪付きで練習するのが効率もよく実践的です。小論文は必ず書けるようになります。一緒に頑張っていきましょう。
講師名・最終学歴・座右の銘をご紹介します。
明治大学大学院
政治経済研究科修了
反省と探求
日本大学大学院
博士課程前期修了
人は変われる
東京学芸大学
大学院修了
何事にも「勇猛精進」の姿勢を持つこと
早稲田大学
法学部卒業
弱気は最大の敵(津田恒美)