私立医学部・歯学部予備校・塾のメルリックス学院

医学部面接では絶対に「私」と言わなきゃダメ?

こんにちは。
学院長の鈴村です。

少し前になりますが、医学部に合格した生徒が挨拶に来てくれました。

「面接練習の時は失礼な態度を取ってすみませんでした。鈴村さんならきっと僕の弱い部分も全部見抜いてしまうと思ったから、強がってあんな態度を取ってしまいました」

そんなわざわざ謝るほど失礼な態度でもなかったので、「全然大丈夫なのに気を使わせてごめんね」とこちらも謝りました。

でも、絶対あの目は信じてなかったけどね…!(笑)

ところで、医学部の面接練習をしていると「他のところではこう指導されました」と言われることがあります。
他のところというのは、高校や他の塾・予備校のことです。
面接というのは学科試験と違って「答が1つではない」ので、様々な指導があるのは当然ですが、どうしても教える方は「たった1つの正解」を叩き込もうとするようです。

万人に当てはまる正解がないのがコミュニケーションであり、面接なんですけどね。

「他のところでは『私』を使いなさいと言われました」
なかなか上手く話すことのできない生徒からそう言われると「ハイ、来た!」と内心で叫びます。

間近に迫る試験日、なかなか上手く行かない応答、使う一人称もぎごちなく、時々「僕」や「自分」が混じる生徒が無理に「私」を使おうとする時は、
「他に大事なことはたくさんある!『僕』でも『自分』でも不合格にはなりません!」
と思わず前のめりで言いそうになります。

しかし、そのまま言うと怖いと思われるので、なるべく優しい声音で言うようにしています(汗)

もちろん、医学部面接はオフィシャルな場ですから、自然な形で「私」を使うことができればそれに越したことはありません。

しかし、試験までほんの数日しか準備する時間がない。
メインの部分となる応答練習がなかなかスムーズに進まない。
医学部の先生方(面接官)が受験生に何を求めているかも、今ひとつピンと来ていない。

こういった場合は、一人称は普段使い慣れた「僕」や「自分」でかまわないので、他の部分を磨き上げることに全力を注ぎます。
実際に「私」を使わず面接に臨んだ生徒で、医学部に合格したケースはいくらでもあります。

ではなぜ「一人称は『私』を使いなさい」といった画一的な指導がまかり通るのでしょうか?

これには、教える側の事情が大きく関わっていると思います。
面接指導をするのは大抵の場合、高校の先生や予備校の先生、つまり数学や国語といった教科を教える先生がほとんどだと思います。

普段から「正解は1つ」という指導をされている方々ですから、面接試験の合否の基準が曖昧であることに職業的な居心地の悪さを感じるのではないかと思います。

何しろ、面接で交わされるのは言葉だけではありません。
まず、コミュニケーションは言語と非言語で成り立っています。

しかも人間が人間を評価する場において、絶対的正解はありません。
だから、医学部面接はほとんどの場合、複数の面接官で採点します。
これは1人の面接官による先入観が合否に決定的な影響を及ぼすことを避けるためです。

その曖昧さをなるべく排除するために

「一人称は私で」
「女子は髪を1つに縛れ」
「黒タイツはNG」
「ノックは3回」

といった、高校の校則と就活のマナーが混ざったような面接指導が行われるのでしょう。
(ちなみに医学部の方に聞くと、スーツである必要すらないそうです。清潔感があればどんな服装でもかまわないです)

私は普段、面接指導や進路指導をしていますが、いわゆる「先生」ではありません。
自分の感覚としては組織に勤める「会社員」だと思っています。

過去には人事部で働いていたこともあり、曖昧な基準で評価される「会社員」や「面接」の世界を嫌というほど見てきました。

民間企業に比べれば、医学部の評価基準はシンプルであり、とてもわかりやすく見えます。
医学部の先生にも様々な性格の方がいらっしゃいますが、皆さん国民皆保険制度のもとで働いていらっしゃいますから、会社の上司に比べればアウトカムは明確です。

なので、よく「経歴が複雑なので面接が不安です」というご相談を受けますが、医学部の面接官が聞きたいことはほとんど決まっているので、むしろ経歴が複雑な人ほど質問が予測しやすいという面もあります。

経歴が複雑というのは、

・高校の欠席が30日以上ある
・長期欠席した病名が調査書に書いてある(そしてそれがとても不安)
・大学を何度も中退している
・高卒後、何もしていない期間がある

といったことがそれにあたります。

こういった方々の面接指導をすると、「本番で鈴村さんと練習でやった通りの流れになりました!」と言われることがあります。
それは「医学部の面接官ならここが聞きたいだろう」という質問があらかじめわかっているからこそ起きる現象です。

この質問にこう答えたら次はこう聞かれる、そうしたら次はここを聞いてくる、と生徒と2人で作り上げていくことによって、本番に近いシミュレーションをすることができるのです。

面接こそ「相手の立場に立って考える」ことの極致です。
まずは目の前の相手(医学部教員)を同じ人間だと思うところからスタートです。

ちなみに以前、卒業生から「スタバのバイト採用で落とされたから面接指導をしてほしい」と頼まれたことがあります(笑)
その時にスターバックスの有名な「サードプレイス」という概念について掘り下げたのはもちろんですが、志望動機についてじっくり話し合いました。

「スタバのバイトに応募してくる人は、100人中100人が客の立場でスタバが好きと言うはず。そうではなく、じゃあ、その大好きなスタバのドリンクを安定して供給できるのはなぜか、そこを考えた上で、その一端を担いたいというのが志望動機になるはず」

という話をして見事合格。
面接では「スタババイトの昇進システムでも上に行けるように頑張りたい」と話したそうですが、大学を卒業する頃には本当に偉いポジションになっていました(笑)

相手の立場に立って考えるということを、面接練習の時にはぜひ考えてみてほしいと思います。

あなたが医学部の教員だとして、目の前の受験生が「僕」を使っているからといって、それだけで落としますか?
初対面なのにすごく感じがよくても?
ちょっと緊張している様子がとても真面目そうに見えても?

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