私立医学部・歯学部予備校・塾のメルリックス学院

『Doctors Journal』VOL.34に記事が掲載されました【30年前と同じ進路指導がもたらす悲劇】

『Doctors Journal』VOL.34に医学部受験に関する記事を掲載していただきました。
過去のバックナンバーをサイトから読むことができるのですが、なぜか最新号がアップされないので、こちらに記事をアップします。

 

医学部の難化、とどまるところを知らず

「いつから医学部ってこんなに難しくなったんだっけ?」

私が大学生の時にこの業界に入ってから既に四半世紀、その間に医学部はどんどん難しくなり、今では私立医大の偏差値は軒並み60を超え、早慶より難しいと言われるようになっています。

ちょうど2000年あたりから医学部志願者が増え始め、法科大学院が設立された2004年以降さらに増加、リーマンショックが起きた2008年からは加速度的に志願者が増えています。

現に2000年度入試の医学部一般入試志願者は4万5千人超だったのが、2020年度入試は約10万人に増え、最も多かった2018年度入試ではなんと11万人を超えています。
センター利用や後期入試など試験方式の多様化も一因ですが、のべ人数で2倍以上も志願者が増えている医学部は、18歳人口が減少を続ける大学入試業界において「異常」と言ってもいいでしょう。

最新の河合塾偏差値ランキングでも、私立医大で最も低いのは獨協医大、埼玉医大、北里大の62.5です。
同じランクには早稲田大、上智大、東京理科大が並びます。
もはや「医学部にすべりどめはない」のです。

医学部入試に抜け道はない

医学部入試が難しいとわかると、よく「抜け道はありませんか?」と聞かれます。
残念ながら、抜け道はありません(笑)

医学部に入学した後は医師国家試験というゴールが控えています。
3年次から4年次にかけてはCBTと呼ばれる共用試験もあります。
そこでは入試以上に過酷な勉強が要求されるため、医学部としては受験勉強における学力が低い人を入学させることはできないのです。

よって、医学部では学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(AO入試)においても、ほとんどの大学で学力試験が課されます。
国公立医学部の推薦を受ける場合も共通テスト受験はほぼ必須です。(筑波大などを除く)

私の知る限り、いわゆる学力試験が課されない医学部入試は、愛知医大の国際バカロレア選抜と今年から始まった東邦大の総合入試(卒業生子女入試)の2つしかありません。
ただし、どちらもある一定の成績評価が必要であり、受験できる年齢も制限されています。

自己推薦書や調査書といった出願書類も評価の対象となります。
メルリックスでは今年、東邦大の総合入試で2名、同窓生子女入試で1名の合格者が出ましたが、大学が公表している内容から「基礎学力や適性試験はこういう内容ではないか」「こういう面接が行われるのではないか」と推測し、適切な対策をした結果だと思っています。

もともとメルリックスは情報力に自信があるので「初物に強い」のです。

しかし、情報力だけあっても医学部に合格することはできません。
その大学がどういう人材を求めているか、受験する生徒が求める人材に合っているかといった見極めが必要になります。
また、たとえ学力試験が課されなくても高校で学習する内容はしっかりと身につけている必要がありますし、それは面接での受け答えや小論文の論理的構築力にも表れます。

30年前と同じ進路指導がもたらす悲劇

今も昔も、最も募集人員が多いのは一般選抜(一般入試)であることに変わりはありません。よってほとんどの受験生が一般選抜を目指して学力試験でしのぎを削ることになります。

まず考えなければならないのは、国公立医学部を目指すのか、私立医学部も受験するのかです。
もっと言えば、どのぐらい本気で国公立医学部を目指すかを決めなければなりません。

国公立を受験するということは共通テスト対策と2次試験対策の二足のわらじを履くことを意味します。
国語と地歴公民もある程度クリアした上で、同時に多くのことをこなせる器用なタイプでなければ国公立医学部に合格することはなかなか難しいと思います。

もちろん、学費のことを考えれば国公立に行ってくれた方が親にとってはありがたいわけですが、そもそも今の制度では医学部を卒業しなければ医師になれないため、医師になることだけを考えれば国公立にこだわる必要はありません。

多くの受験生の相談にのっていると、地方にある公立の進学校では未だに「東大もしくは地元の国公立大至上主義」のところがあります。
私も県立高校出身なのでよくわかるのですが、基本的にそういった高校の進路指導は30年前とほとんど変わっていません。
どちらかと言うと不器用なタイプの生徒にも共通テスト対策を課し、授業では東大の難しい問題を扱って「難しい問題が解ければ簡単な問題は解ける」という考え方です。

そういう子がTOC五反田の試験会場で、列を成す受験生と私立医学部の入試問題を見ると愕然とするわけです。
記述式の難しい問題を解いて部分点を狙う国公立型の問題と、短時間で多くの典型問題を手早く処理する私立医学部の問題では取り組み方が全く異なります。

メルリックスに在籍している浪人生の中には、地方の公立進学校に通っていた生徒も少なくありません。
そういった生徒に、私立医学部に合格するためには難しい問題が解ける必要はなく、典型的な問題を素早く正確に解くトレーニングを繰り返しましょうと言っても、発想を変えるのになかなか苦労するようです。

基礎が大切

しかし、どんな入試問題であっても基礎が大切であることに変わりはありません。

どんな難関大でも合格した生徒は必ず「基礎が大事」と言います。
しかし、渦中にいる受験生はつい過去問で何割取らなければといった目先のことに気を取られ、入試問題も基本事項の組み合わせでできていることを見過ごしがちです。

私たちのような医学部専門予備校は、そういった生徒に「正しい勉強法」を教えるために存在するのだと思っています。
受験生活の中で不安になる時期は必ず来ます。
そんな時も「これさえやっていれば大丈夫」と正しい勉強法を指し示すことで、迷える受験生が時間を無駄にせずに済むと考えています。

メルリックスでは全国模試で偏差値40台、50台の生徒も医学部に合格しています。
模試は所詮模試です。
医学部の入試問題とは形式も試験時間も違います。
よって、模試の合格可能性判定は全く気にする必要はありません。
A判定を取っていても落ちる人はざらですし、E判定で受かることも決して珍しくありません。

それは「医学部に合格するためにはこれが必要」ということを理解した上で講師陣が指導にあたっているかどうかの差です。

これまで何千人という生徒の指導にあたってきて思うのは、生徒1人ひとりが合格するまでに必ずドラマがあります。
1人として平坦な道を歩き続けて合格した生徒はいません。

今年はコロナ禍で受験生は勉強以外の苦労を強いられていますが、振り返ればきっと今年のことを懐かしく思うはずです。
「あの年はコロナで大変だったけど合格したんだよね」と後になって言えるよう全力を尽くしてほしいと願いながら、日々生徒指導にあたっています。

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