私立医学部・歯学部予備校・塾のメルリックス学院

志願者数の増減が私立医学部の難易度に与える影響

こんにちは。
学院長の鈴村です。

いよいよ19日(火)の愛知医科大学から、私立医学部入試が始まります。
例年、一部の大学は志願者数の推移をホームページで公表しています。
メルリックスでは、毎年その推移を記録していますが、今年は志願者数に対する受験生のアンテナが敏感になっているように感じます。

この感じは何だろう、と首をひねりました。
もしかしたら毎日、都道府県別の新型コロナ感染者数が発表されているので、それと同じように一喜一憂しているのではないか、と思い当たりました。

特に杏林大学の一般選抜の志願者数が、出願締切の1日前に「885名」と公表された時は、メルリックスにもいくつかのお問い合わせが寄せられました。

杏林大学は例年、毎週1回、志願者数を公表するのが恒例になっています。
昨年は出願締切日である1月15日の1週間前、1月9日に「1,343名」と公表されました。
その後、締切直後である1月16日の志願者数は「2,111名」、最終的な志願者数は「2,290名」でした。

昨年と単純に比較すると、締切1週間前の1,343名と、締切1日前の885名。
この時点で500名弱の差があります。
なので、500名以上の志願者減はあり得るだろう。
ただ、他にも公表されている私立医学部の志願者数や、全国模試での志望校調査の数から考えると、1,000名以上も減らすことはないのではないか。
結果として、1,300名~1,600名ぐらいの間に収まるのではないか、と予想しました。

予想は大きく外れて、1月13日に昨年より10名減の2,280名と発表されました。
年末年始の休暇中に届いた分を、一気に処理したための1,390名増ではないかと推測されます。
(最初からその分も予想に入れとけよ、という話ですね。申し訳ございません)

ただ、志願者が1,000名減ったとしても、それほど難易度は変わらないだろうと考えていました。
それは昨年、志願者数が923名減少した昭和大学I期や、同じく志願者が大きく減ったり、募集人員が少なくなったり大学であっても、目に見える難易度の変化はなかなか起きないという医学部入試の性質によります。

私立医学部入試において、難易度を決めるのは倍率ではなく、学力上位層がどれだけ受験するかによって決まります。

今年で言えば、2月から1月に1次試験日を戻した杏林大学が、ある一定の学力上位層にとっての「狙い目大学」となることに変わりはないだろうと考えています。
さらに、杏林大学は補欠に繰り上げ順位が付いているため、2次発表の時点である程度、合格するかどうかが読める大学でもあります。

「杏林が押さえられれば、日程後半の大学がいくつかスキップできて、本命の勉強に集中できる」と考える学力上位層は、例年通り、ある一定数いるのではないでしょうか。

さて、私立医学部入試における「倍率が低いと易しくなるのではないか」という質問を受けるたびに、いつも思い出す一つのエピソードがあります。

以前、私がまだ医学部受験業界に入って間もない頃のことです。

ある保護者から「東京慈恵会医科大学の実質倍率が非常に低いが、なぜ先生は慈恵をお勧めにならないのか」と聞かれたことがありました。

今なら「慈恵を受験する層は、多くが国公立医学部や慶應医学部と併願するような、学力に自信のある層ですから、そんな強敵ばかりのところに突っ込むことはお勧めしません。倍率だけを見てはいけません」と説明すると思いますが、当時の私は、どうすれば失礼にならないように相手に伝えられるかを考えて、グッと言葉に詰まってしまいました。

この仕事は教育サービス業なので、伝え方には本当に工夫が要ります。

昨年度の東京慈恵会医科大学の受験者は1,800名、繰り上げも含めた総合格者は321名、実質倍率は5.6倍。
金沢医科大学(前期)の受験者は2,810名、総合格者は188名、実質倍率は14.9倍。

だからと言って、金沢医科の方が慈恵よりも難しいと言う予備校関係者は1人もいないでしょう。
ちなみに、金沢医科大学(後期)の実質倍率は89.1倍。
それでも、慈恵に比べれば金沢医科後期に合格する確率の方が、ずっと高いと言えるでしょう。

参考までに、私立医学部の最高峰、慶應義塾大学の実質倍率は7.0倍。
1次試験の会場にいる7人に1人は合格するということです。
しかし、慶應の医学部を受けに来る層の学力を考えると、7人に1人だろうと、2人に1人だろうと、普通の成績ではまるで受かる気がしません(笑)

この話の最も重要なポイントは「学力上位層がどのぐらい受けているかを正確に計ることができない」ということです。
多くの人が志願者数や倍率を必要以上に気にするのは、その目に見えないブラックボックスへの不安でしょう。
だからこそ、私たちのような医学部予備校関係者が、進路指導をする余地が生まれるとも言えます。

もしこれが、すべてデータ化して見えるようになれば、私たちの仕事は不要になるでしょうね。

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