

甘利くんはメルリックスに入学した時から「第一志望は昭和大学医学部」と言い切り、目標がはっきりしていた。英語には自信を持っていたようだが、数学と理科、特に理科は他の現役生同様、浪人生相手では苦しかった。最初は緊張気味だった甘利くんも9人以内で行う授業に慣れてくると授業中の質問も積極的に出てくるようになった。メルリックスでは「参加型授業」を心掛けている。これは講師が一方的に話すのではなく、生徒と一緒に授業を作り上げる授業である。そのために講師は生徒に質問を投げ掛けたり、実際に問題を解かせて、その間一人ひとりを見て回ったりする。じっと座って懸命にノートをとる、という授業とは異なる。そんな授業であるから生徒も自然と質問することが当り前になってくる。
甘利くんにはメルリックスの授業が合っていたようだ。メルリックスでは夏と秋の2回、各担当講師から保護者に現状と今後についてのレポートが届く。それを読むと甘利くんが高校の勉強とうまく両立させていたことが分る。
11月に入ると現役クラスの仲間達が推薦入試で次々と合格を決め、賑やかだった教室も静けさを感じるようになった。あくまで昭和大学医学部の一般入試に焦点を絞っていた甘利くんはこの頃から「負けられない」と一層、集中力が上った。理科は学んだ知識を使えるようにするための総仕上げに入っていた。物理は最後に個別授業を少しだけ組んで実践力を磨いた。面接の練習にも彼は決して手を抜かなかった。
昭和大学医学部の合格発表の翌日、笑顔の甘利くんが合格の報告に来てくれた。「推薦入試で合格した友人達からたくさんおめでとうメールをもらいました」そう言ってニッコリと笑ってくれた。