

加藤くんは前年、大手予備校に通っていたが、途中で息切れしてしまった。周りの生徒たちがダラけてくると自分もつられて気が緩んでしまったようだ。彼のような明るい性格の生徒は往々にして「乗っている」時はいいのだが、気分が乗らないと集中力を欠くことがある。
前の年のこともあったのでとにかく1年を通してコンスタントに勉強を続けられるよう注意して見守った。彼は各科目の担任講師ともよく話していたので、授業をサボリにくくもなっていた。また毎月の担任との面談のたびに気合いを入れられ気を引き締めていた。
彼はよく期待に応えてくれ模試の成績も安定していた。彼が1年を通じて集中力を保てたのは講師や担任だけでなく、ひとつにはクラスメイトの存在が大きかったのではないだろうか。8人のクラス、みんながやっているから自分も手を抜けない。
参加型の授業だから、みんなが積極的に授業中も質問できたし、毎日のチェックテストも点数を見せ合うことで大変だったが、楽しくもあった。
みんなで和気あいあいとやるから苦しい受験勉強も乗り越えて行けた。」と言ってくれた。彼のクラスからは文学部を卒業して歯学部を目指していた女性が11月に日本大学の編入試験に早々と合格したことで「自分だけ置いていかれるわけにはいかない」とクラス全体が一層引き締った。
クラスメイトが次々と合格を決めるなか、数日遅れで第一志望校に合格を果たしてくれ、今はヨット部員として湘南の海を疾走している。